AIJ投資顧問の年金資産消失問題で、厚生年金基金の抱えている問題が表面化してきています。
そもそも厚生年金基金は厚生年金に+αして年金の額を増やし、社員の老後を楽にするという福利厚生の目的で作られた制度です。しかし、少子高齢化で受給者が増え、低金利で年金基金の運用が上手くいかないといった問題もあり、+αの上乗せ分だけではなく、国に代わって運用している代行部分に必要な積立金まで確保できていない状況になってきているのです。特に「総合型」と呼ばれる、同業種の会社の集まりなどで設立・運営している基金は、中小の企業も参加していて、問題を多く抱えているようです。
こんな話を聞くと、「自分のところは大丈夫なのだろうか」と心配が立ち、「だったら今のうちにやめておこう」という思いになるのですが、このやめること(脱退)も実は簡単ではないのです。財政状況が悪化している厚生年金基金をやめる場合は、脱退特別掛金を支払わなければ抜けることができないという問題があるのです。これは、脱退する事業所にも本来負担すべき債務分を、脱退の時に一括で負担してもらおうというもので、理論的にはおかしくはないようなのですが、どこか釈然としないものです。
4月16日付で民主党の作業部会で、この問題の検討に入ったというニュースが流れてきました。この問題だけではなく、表面化していなかったいろいろな問題がここに来て顕在化してきていますが、将来に先送りするのではなく関係している世代が責任をもって解決すべきだと考えます。
厚生年金基金の問題
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「税理士事務所・会計事務所に求められる真の役割」
税理士の依頼業務は、会計や税金の相談、申告書の作成、税務調査の対応が中心だと思われます。ですが今後の税理士は、以下の2つを重視すべきであると考えます。
財務会計から管理会計へ
財務会計とは、基準に基づく処理で、決算書の作成のためのもので、基づく決算書だけでは、企業業績を正確に把握することは困難になっています。一方、管理会計とは、商品・顧客・部門別などの管理で、企業の現状を正確に把握するための会計です。
今後、税理士が業績を正確に把握し、業績の向上をサポートすべき立場であると考えます。
これまでの税理士事務所は会計・財務処理などの過去の事実を記録する会計(過去会計という)を業務の中心としてきました。
過去会計から未来会計へ
今後は、経営者は経営戦略を勉強し、経営計画を作成・社内に浸透し、業績の予実績管理を行うことが社長力、企業力を向上させると考えます。これを未来会計と定義し、税理士事務所がすべきであると考えます。
この2つの会計サービスを税理士が提供することで業績向上に貢献するべきだと確信いたします。
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