昨年、「事業承継」に関する打合せに行ってきました。
その会社さんでは2代目が継承して社長に就任し、創業者である先代が会長になられています。
しかし、代表取締役社長の変更は済みましたが、あいかわらず会長(父)が筆頭株主でした。
先代の株式保有額が大きいと、「もしも」のときの相続税の支払いが大変ですので、
まずは、会長から社長への株式の譲渡についてご提案しました。
その会社は黒字経営で頑張っていますが、過去の赤字が大きくて「純資産」は現時点でマイナスでした。
純資産がマイナスであり、土地など別途評価が必要なものが特に無い場合、株価の時価評価は額面以下となります。
計算すると譲渡株式の時価合計額は110万円以下となり、贈与税の非課税枠におさまりました。
また、社長は額面以下で株式を譲り受けますが、時価評価ですので所得税も発生しません。
(株価が額面以上の場合は、譲渡益が発生し会長が所得税を支払うことになります)
結果、会長から社長へ無償譲渡しましたが、贈与税も所得税も発生しなくて済みました。
今期は黒字になりそうですので次の決算後は株式の時価評価もあがり、上記のような譲渡はできないでしょう。
依然として業績の厳しい会社さんも多いと思いますが、自社の純資産が低いうちに「事業承継」について
検討してみて下さい。