休憩時間は自由に利用させなければならないという規定があります。
自由に利用といっても、完全に使用者の拘束から開放されるというものではありません。例えば食事の施設や休憩施設を持つ工場などで、「休憩時間中に施設から外出する際に、上長に届出なければならない」などを就業規則で規定することは、自由利用に反しているので違法だというわけではありません。
また職種によっては、自由利用の適用除外にされている場合があります。具体的には、警察官、消防吏員、常勤の消防団員及び児童自立支援施設に勤務する職員で児童と起居を共にするもの。乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、盲ろうあ児施設及び肢体不自由児施設に勤務する職員で児童と起居をともにするもので、労働基準監督署長の許可を受けたものが該当します。
よくありがちなのが、事務所で食事をする社員に「昼食に出てくるから電話あったら聞いといて」「お客さん来たら待ってもらっといて」と上司が依頼するケースです。これも厳密に言うと自由利用の原則から外れることになります。ただ現実問題とすれば、その電話や来客が頻繁でない限りは対応してもらいたいものです。また、そうしてもらえるように普段からお互いに協力的な職場であれば、労使の問題も少なくなると考えます。
人事・労務について
休憩時間について③
2011 年 8 月 4 日 木曜日休憩時間について②
2011 年 7 月 29 日 金曜日労働基準法では、休憩時間は一斉に付与しなければならないという規定があります。
では店舗販売や飲食業などで、一斉に休憩をとるためには「店を閉めなければならない」事業はどうすればよいのでしょうか?
そういったケースのために、一斉付与適用除外が認められる事業があります。具体的には、適用事業区分のうち、運送の事業、販売・理容の事業、金融・保険・広告の事業、映画・演劇の事業、郵便・信書便・電気通信の事業、保健衛生の事業、旅館・料理店・飲食店・接客娯楽の事業及び官公署がそれに該当します。
これに該当しない事業であっても、交替で休憩を設ける場合は労使協定を結べば、一斉に付与しなくてもよくなります。
ではよくあるケースで、電話があったときのための電話番はどう解釈すればよいのでしょうか。この場合、デスクで昼食しながらの電話番でも休憩時間には当らず、別途休憩時間を与える必要があります。で、結果一斉付与から外れますので協定が必要となります。
ただし、この労使協定は行政官庁に届出までしなくてもよく、労使間での合意とそれを書面に残すことが目的となります。
休憩時間について
2011 年 7 月 25 日 月曜日朝から仕事の人には昼食時間に休憩時間が設けられているケースが多いですが、お昼からの出勤の人には休憩時間が無くてもいいのでしょうか?
答えはNoです。
労働基準法では、休憩時間は昼食を取るためのものという意味はなく、ある程度労働時間が継続した場合に蓄積される労働者の心身の疲労を回復させるために休憩時間を設けなさいというものであり、一定時間を超えた場合には与えなければなりません。
具体的には、
①勤務時間が6時間以下の場合は、休憩時間は不要です。
②6時間超8時間以下の場合は、45分以上の休憩時間を与えなければなりません。
③8時間を超えた場合は、1時間以上の休憩時間を与えなければなりません。
法律上では、①のケースでは、朝9時~15時までお昼抜きで仕事をさせてもよいという解釈になります。
③のケースでは、朝9時~17時45分の勤務時間で45分休憩(8時間勤務)の会社が、30分残業してもらうためには15分休憩を取ってから、残業をしてもらわなければならないことになります。
また、休憩時間を12時に30分、15時に15分といったように分割して与えても問題ありません。