先日、ある地方銀行の支店長と食事をする機会がありました。銀行の支店長と会食をするのは久しぶりのことです。銀行としても企業の業績が悪化しており、融資をしたい会社が少なくなり、優良な会社を発掘する必要があるのでしょうか。そのため、いろいろな銀行の支店長が最近弊社を訪問されてきます。
さて、そこで支店長が話されていました印象的な話をひとつご紹介します。
金融円滑化法が施工されて約10ヶ月が経過しました。(制度が延長されるとの新聞報道が最近ありました。)この制度を利用して借入資金の返済猶予を適用している会社もおられると思います。(通常、返済猶予制度は1年毎の見直しとなります。)
支店長によると、残念ながら返済猶予を適用している会社で収益が回復する企業は少ないということでした。なぜなら、返済をストップすると、一時的に資金繰りが改善し、収益が改善したかのごとく錯覚し、経営者は資金繰りの苦痛から解放され、気を抜き、経営改善がとまるという理由です。
私も単なる返済猶予は問題の先送りに過ぎないと思います。(これから本格的にこの問題が一気に社会問題化するでしょう。)経営者は1年間の許された時間で経営の抜本的な改善を計画し、実行しない限り再生はありえないと考えます。
経営の再生のためには、経営者がまず危機感を持つこと、全社で危機感を共有すること、経営改善計画を作成すること、経営計画を実行すること、が必要となるのです。