「社員教育は無駄である」という見出しに、何ですって?と本を読み始めてみると納得でした。
仕事の出来る人は誰かに手取り足取り仕事を教わったのではなく、自分で仕事のやり方を身につけてき
たからだというのです。
社員教育が全く必要ないというのではなく、教えれば身につくもの、教えなければわからないものは社
員教育である程度伝えることができますが、それだけでは「仕事の出来る人」とは言われないというこ
とです。なんとなくそうだろうとは思っていたのですが「形式知」と「暗黙知」という単語でスッキリ
しました。
私もかつて企業で社員教育なるものを受けたのですが、そこで教わったのはマニュアル化できる「形式
知」で、普通に仕事をこなせるようになるための基礎的なことで、上司や先輩の見よう見まねで受け継
いだものや、経験したことによる「勘」のような社員教育では教わることのできない、又マニュアル化
できない「暗黙知」がいかに大切かということです。
企業には、組織内で代々受け継がれるべき「暗黙知」が自然に社員教育となり、それを自分で吸収すべ
く努力した人が「仕事のできる人」になると思えば「社員教育は無駄である」も納得というわけです。
手に職…の職人さんの世界でも、技は教わるのではなく盗むものだとか言いますものね。
本によりますと、ビジネスマンは「仕事の出来る人」だけではなく、更に「組織人」としてどう振舞う
か…と続きがありますよ。