ネットで、NTTドコモが2012年3月に有機野菜や無添加食品の宅配会社である「らでぃっしゅぼーや」の株式を取得し同社を子会社化した理由は何かという記事を見かけました。連結売上4兆円強、営業利益は9千億円という会社が、年商220億円営業利益3億円の会社を、また全くの異業種の買収ですので「ナゼ?」と疑問を抱くのです。その理由の一つは、携帯事業が難しくなっていく中で、2011年に示した「これからは総合サービス企業として、モバイルとのシナジー効果が高い様々な事業領域において新たな価値創造に向けた取り組みを更に推進していく」というビジョンの一環としての買収であったようです。
ただ、これが上手くいくのかは見守るしかないのですが、P.F.ドラッカーは著書「マネジメント」の中で、多角化が成功するには調和できるかが重要であり①共通の市場のもと②共通の技術のもとでの多角化がポイントになると示しています。つまり今もっている客を対象にするのか、今もっている開発力を活かせるのかということことが成功のカギになるとの考えです。
今回のドコモの場合は、既存の携帯電話の客に携帯電話のサイトを通じて、有機野菜を販売するというビジネスモデルが考えられるであろうが、携帯電話会社のあまりに幅の広い客層を相手にして、どのようにターゲットを絞ることができるのかが課題である。個人情報が厳しきなった中でも、ネット環境を通じての個人情報の吸い上げは可能であろうから、そこから、健康や食に関心のある顧客にターゲットを絞っていくというのが最もオーソドックスな考え方ができる。しかし、市場を大きくするためには、もっと別の戦略が必要になると思われる。
NTTドコモほどの会社になると、頭脳明晰なスタッフがたくさんいるので心配するには及ばないだろうが、某アパレル会社が有機野菜販売が上手くいかなかったように、全く畑違いの業界に進出するのはなかなか難しいのではないだろうか。それこそ、元の会社のスタッフとNTTドコモのスタッフが調和できるかが一番のカギかもしれない。
ドコモの異業種参入は成功するか?
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「税理士事務所・会計事務所に求められる真の役割」
税理士の依頼業務は、会計や税金の相談、申告書の作成、税務調査の対応が中心だと思われます。ですが今後の税理士は、以下の2つを重視すべきであると考えます。
財務会計から管理会計へ
財務会計とは、基準に基づく処理で、決算書の作成のためのもので、基づく決算書だけでは、企業業績を正確に把握することは困難になっています。一方、管理会計とは、商品・顧客・部門別などの管理で、企業の現状を正確に把握するための会計です。
今後、税理士が業績を正確に把握し、業績の向上をサポートすべき立場であると考えます。
これまでの税理士事務所は会計・財務処理などの過去の事実を記録する会計(過去会計という)を業務の中心としてきました。
過去会計から未来会計へ
今後は、経営者は経営戦略を勉強し、経営計画を作成・社内に浸透し、業績の予実績管理を行うことが社長力、企業力を向上させると考えます。これを未来会計と定義し、税理士事務所がすべきであると考えます。
この2つの会計サービスを税理士が提供することで業績向上に貢献するべきだと確信いたします。
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