消費税増税に伴い低所得者の負担を下げるため消費税の軽減税率の導入が検討されています。軽減税率とは何かというと、私たちの消費した物やサービスに課税される消費税は、所得や財産が増えるほど税率が上昇する所得税・法人税・相続税とは異なり誰にでも同じ税率が適用されるため、低所得者の負担が大きくなる。そこで消費税に複数の税率を導入し、食料品などの生活必需品には、その他の商品より低い税率を適用して消費者の負担を軽くしましょうという制度である。
所得の大小にかかわらず購入されるものは低税率で、贅沢品については所得の高い層が購入する傾向にあることから通常の税率を適用するという内容的には理にかなった制度ではあるかと思いますが、問題はその運用方法にあります。
欧州などの軽減税率は、買い物時に対象品目に低い税率が適用される仕組みとなっていますが、日本ではそれとは異なり、たとえば消費者が1000円の飲食料品を買うと、一たんは10%の消費税を含む1100円を支払い、そのうちの2%分(軽減後の税率を8%と仮定した場合)に当たる20円が後日還付される仕組みとなるようです。
これを前提として検討当初あがったのがマイナンバーカードをスーパー等の店頭で提示し、年間分をまとめて還付する(上限4,000円)という仕組みにするというものです。。
この記事を読んで思ったことが2点あります。
①厳重保管・秘密厳守の個人情報であるマイナンバーを毎日スーパーで公開するという違和感。二重人格ですか??
②スーパー側はマイナンバーを読取る設備が必要なので多額の費用がかかるのでは?小規模店は無理では??
さすがにこれが通ることはないようで、現状では別のインボイス方式なる案が有力とみられています。
そもそも還付制度にする必要があるのでしょうか。販売者側で10%と8%を区別できればそれで完結する話なのかなと・・・
会計事務所の立場としては税区分が煩雑になり申告作業が増えるため、軽減税率ではなく、所得に応じた一定額の還付制度くらいで勘弁してもらいたいものです。
担当:山﨑