この時期、お勤めの方は、勤務先から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」という2枚の書類を渡されると思います。
私は就職して初めてこの書類を受け取った時、何だかよくわからないまま、とりあえず何も該当しないようなので自分の名前や住所を書いてハンコを押して提出しました。
その後会計事務所で勤務するようになり、この2枚の書類のことがだんだんわかってきました。
所得税の還付額を増やすにはどうすればよいか、今はネット等にも色々わかりやすく書いてありますが、私なりに少し書いてみたいと思います。
①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書について
●2ヶ所以上で働いている場合
この書類は1ヶ所にしか提出できません。税額は給与所得の源泉徴収税額表(国税庁のホームページ等に載っています)に基づいて計算されますが、申告書を提出した所ではこの表の甲欄で、提出していない所では乙欄で所得税額が計算されます。乙欄の方は甲欄より税額が高く申告書がないので年末調整もされません。そのため2ヶ所以上で税金を納めている方は多く納めているケースが多く、確定申告をすれば戻ってくる可能性があります。
②給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書について
●たくさん生命保険等に入っている場合
例えば夫名義で平成24年1月1日以後に契約した一般生命保険の年間払込保険料が80、000円超の場合、その後新たに夫名義で一般生命保険(保険料控除の種類が同じ)を契約しても控除される金額は限度額の40、000円のままですが、妻が働いていた場合、新しい方の保険料を妻の申告書に記載することで妻の所得控除の対象にすることができます。
契約者でなくても生計を一にしている人であればよいので、たくさん保険をかけている場合は家族で記載を分けることで世帯合算での還付額が増えることがあります。
●国民年金保険料を払った場合
例えば子供が学生納付特例制度を使っていて社会人になって追納した場合親(生計を一にしている最も税率の高い人)が払ったことにすれば還付額も多くなります。理由は、子供は年の途中に就職し収入も少ないので税率も低く、親の方は収入が多く税率も高いことが多い(さらにその子供の特定扶養控除がなくなり以前より税率が高くなる可能性もある)からです。
ちょっとしたことで節税できる場合があります。税金のことはややこしいからいいやと思われる方も、消費税も上がり庶民の税負担は増えているので少し考えてみられたらいかがでしょうか。
担当:菅沼