「会社の数字を従業員にオープンにしようと思うのですが、どの程度開示すればいいでしょうか?」
月次訪問でお伺いしている際にこのようなことをよく質問されます。正直、この答えは会社によって様々です。
経営者の方の経営スタイル、創業社長か二代目社長か、数字の公開に思い至った経緯と目的は何か?、粗利益に
対する人件費の比率はどの程度か?、これらの要因が会社によって様々ですので、どの程度公開することが
会社=経営上メリットがあるのかは様々だということです。
現在のような経済状況下で、このような思いに至る背景として多いのは、経営状況が悪くなり、社員にもっと頑張って欲しい、具体的には
経費削減において意識レベルを高めて欲しい、こんな状況だからこそもっと売上を上げるor利益を残す
ことに工夫と積極的な行動を起こして欲しい、などなど。
心情的にはよく理解できます。しかし大切なポイントが一つ。
それは、抽象的な説明では何ら効果は期待できないということです。
試算表上の数字を説明したところで、当然営業部門の方、製造部門の方はピントきません。
「現実の数字」と「行動の具体性」をリンクさせて、分かりやすく伝えること、そこにストーリー性を持たせて伝えること、
そして何をしたらどんな数字に変わる可能性があるのかをはっきりと明示すること、これが大切なように思います。
伝え方を間違えると、経営者の方が期待する効果とは真逆のマイナス効果を生む恐れがあります。