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貸倒損失の計上について

2015 年 7 月 31 日

長期間にわたって金銭債権が回収できなくなった場合、貸倒損失を検討します。
債権を回収する努力をし、どうしても回収できないとき、一定の要件により、貸倒損失を計上します。
一定の要件は、下記の通りです。
・金銭債権が切り捨てられた場合
相手先が倒産や破産したこと等により、また、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額が生じたとき、その事実が発生した事業年度において貸倒損失を計上しなければなりません。
・金銭債権の全額が回収不能となった場合
債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合は、その明らかになった事業年度において貸倒損失として計上することができます。ただし担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ計上できません。
・一定期間取引停止後弁済がない場合等(対象は売掛債権のみで、貸付金などは対象外)
①継続的取引の停止、または、最後の弁済、または、最後の弁済期 のいずれか最も遅い時から1年以上経過したとき
  (ただし、その売掛債権について担保物のある場合は除きます。)
②同一地域の売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない場合
①②の事実が発生した場合には、その売掛債権の額から1円の備忘価額を残して、貸倒損失の計上をすることができます。
債権の回収努力をした際の結果(内容証明郵便や、あて先不明で戻った督促状など)を記録として残しておきましょう。

担当:太田

不適正会計?

2015 年 7 月 30 日

連日メディアで話題となっている某大手企業の『不適切会計』ですが、その表現について会計に携わっている者としてはかなりの違和感があります。

元々は不適切な会計処理が行われていたが詳細が分からない という状態なので、とりあえず『不適切会計』という文言が使用されていたようですが、徐々に解明されてきた現状では経営陣は否定しているものの(とりあえず否定するでしょう)組織ぐるみで行われていた可能性が極めて高いことから、もはや『粉飾』と言ってもいいのではないでしょうか。
各メディアではいまだ『不適切会計』『不正会計』『利益水増し会計』なるフレーズが使用されていますが、どの時点で公に『粉飾』というフレーズになるのでしょうか。(このまま使用されない可能性もあります)

さて、フレーズはさておき、会計人としてはその手法を理解しておく必要があります。(不正に加担するためではありません)
今回何点かの不正方法がありますが、大きな要因の一つとして『工事進行基準での原価過少見積り』が挙げられています。
工事進行基準とは、完成引渡基準を大原則とする法人税法において、長期間に渡る工事については進捗率に応じてその事業年度の収益として計上する会計基準をいいます。
進捗率は原価比例法によって計算することになっており、当初の見積総原価に対する当期の実際発生原価の割合によって進捗率を計算します。
今回の内容は、この見積総原価を過少計上してました ということでした。
見積総原価を下げる⇒進捗率が上がる⇒当期の売上が実際よりも多めに計上されるという流れになります。

もう一つの大きな要因としては、製品の加工のための外部加工会社への引渡しの際売上として認識し、その時点で利幅を取っているということが挙げられています。
外部加工会社から製品が戻ってくる時は仕入として認識するようです。
この方法でいくと、とにかく製品を作って外部に回してしまえば売上が上がることになります。外部加工会社としては仕入がいくら増えても完成して出荷しなければ在庫となりますのでいくら受け入れても損益に影響がなく赤字になりません。(在庫維持管理コストはかかりそうですが)

大きな要因であると言われる上記2点を挙げさせていただきましたが、どちらもあくまで売上の先取りであり、実際の完成引渡しの時点にしわ寄せがいきます。そのしわ寄せを埋めるためにはさらに売上の先取りをして・・・というように、不正会計というのは一旦してしまうとなかなか抜け出せません。過去の不正の埋め合わせをした上で当期も適正に利益を上げるということは従来の2倍の努力をしなければいけなくなります。
何より不正会計の弊害は、数値を操作することによって本来の業績の測定が困難になるということです。

正しい数値を基に根本的な課題の解決に取り組むこと、原理原則に従うということが重要であるということを再認識できた出来事でした。

担当:山﨑

「読書の夏!?」

2015 年 7 月 27 日

私は趣味と言えるような趣味は持っていませんが、読書は小学生の時から日課としています。
読書好きの両親に育てられた事もあり、幼少の頃から絵本の読み聞かせにはじまり、とにかく読書をするよう教えられてきました。
読書離れが叫ばれて随分経ちますが、やはり絶対に無くならない娯楽のひとつですね。
最近では芥川賞を受賞して話題になった芸人の書いた本が、飛ぶように売れているようです。
社会的に物議を醸した本や、映画化されるような本は、普段本を読まない方でも手に取る機会は多いのではないでしょうか。

私が読むジャンルは様々で、その時のマイブームによって傾向が変わります。
推理、エッセイ、歴史、純文学、大衆文学、ノンフィクション・・・
ビジネス書や仕事の本ももちろん読みますが、それは読書というより仕事ですね。

自分でも本は読む方だと思うのですが、やはり本当の読書家というのはすごいもので、知人にとにかく隙間時間は読書という方がいらっしゃいます。
その方の雑学知識にはいつも舌を巻きます。
接客業をされている方なので、幅広いお客様と色々なお話ができるという仕事のメリットもあるようです。

読書をする事がえらい事だとは思いませんが、やはり本を読むと普段では得られない知識や単純に楽しさが得られると思います。
1冊数百円の本を数時間読むだけで、自分の人生では体験できない事、知るはずもなかった事、または知りたかった事、色々な事を得るチャンスではないでしょうか。
ビジネスに特化した自己啓発的な本は読む、という方もぜひ小説を手に取ってみてはいかがですか?
私も読書家の知人から普段絶対に自分では手に取らないような本を薦められ、読んでみたら目から鱗だったという本もありました。
意外なところでそんな読書が仕事のヒントになっていく事もあると思います。

これから猛暑が続く季節です。
お休みの暑い日は、涼しい所でコーヒーでも飲みながら読書はいかがでしょうか。

担当:村山


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