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『月次決算の役割とその活用(第2回)』

◆月次決算とは?
会社の業績や経営上の問題を正確に把握することは意外と難しいものです。また経営者にとってビジネスチャンスや業績悪化のシグナルは見落としがちなものです。決算書は会社の業績を正確に表す鏡であり、会社が進むべき方向を示す“経営の羅針盤“と言えるでしょう。特に毎月作成される月次決算書は、会社の経営状況(問題点や課題)をすばやく把握し、早めに手を打つことが出来る最強の業績改善ツールなのです。

◆月次決算の目的とは?
「1年に一度の決算をしていれば問題ないの?」とお思いの経営者が多いのではないでしょうか。月次決算と本決算の大きな違いはデータの信頼度と鮮度にあります。
 1年に一度作成される決算書は節税対策などを行ったために実態を反映していない場合がよく見られます(信頼性の欠如という。) 。よって、その数字を使って財務分析や計画を立てても意味がない場合があるのです。
 鮮度があり、信頼できる会計数値を時系列で表しているのが月次決算書です。又、「月次決算なんかしなくても数字はつかめているよ。」という経営者がいますが、それでは重要な問題を見落とすリスクがあります。ビジネスの世界では結果が重要ですが、その過程をきちんと見ていくこと(原因分析)も重要なのです。(結果の管理は三流で、原因の管理が一流です。)

◆月次決算の効果とは?
月次決算にはどのような効果があるのでしょうか?5つの具体的な効果をご説明いたします。
①今月は黒字なのか赤字なのか、資金繰りの状態は?など問題点の発見ができ、早めの対策が打てます。
②予実績管理により、年間の目標数字に向けての進捗チェックができます。
③毎月の試算表をチェックすることで、仕訳や転記のミスを早期に発見することができます。
④金融機関からの資料提出に対応可能です。
⑤年度の最終利益の予測が可能となり、早い時期からの決算対策が可能となります。

◆月次決算と経営計画の関係
“PDCA”という言葉を聞かれたことがあると思います。“P”とはPLAN(計画)、“D”とはDO(実行)、“C”とはCHECK(確認)、“A”とは、ACTION(修正実行)をいいます。これを経営のマネジメントサイクルといいます。今回のテーマの月次決算はCHECK(確認)に当りますが、月次決算の定義を広く捉えると“PDCA”のすべてが月次決算ということが出来ます。  
 中小企業の場合は、まず DO(実行)とCHECK(確認)をしっかりやる。その流れがきちっと出来たら、次にPLAN(計画) を策定し、DO(実行)、CHECK(確認)の流れを作る。そのようにマネジメントサイクルのレベルを徐々に上げていくことが業績の向上につながるのです。つまり、月次決算とは、この“PDCA”の流れにそった経営を実践をすることなのです。

◆月次決算をレベルアップする7つの対策とは?
月次決算のレベルアップを図るためには経理担当の努力だけで出来るものではありません。
“会社ぐるみ”の協力が必要となります。7つの対策をご提案します。
・対策1・・・月次決算の目的をハッキリさせる。
・対策2・・・経営計画を制度化する。
・対策3・・・経理部門以外の改善を行う。
・対策4・・・無理なく段階的に進める。
・対策5・・・日々完結に徹する。
・対策6・・・情報システムを活用する。
・対策7・・・図表化、グラフ化による“見える化経営”を行う。

◆月次決算で社長が見るべきポイント
損益計算書からは、会社の売上・利益を把握し、貸借対照表からは、資産と負債のバランスより現在、未来の資金繰り状況を把握することができます。
(月次決算書における最低限のチェック事項)
・売上の変動(前年・前月比較)・・・前年、前月、計画と比較し、差異原因をチェックする。
・粗利益(率)の変動・・・前年、前月、計画値と比較し、差異原因をチェックする。
・在庫の変動・・・在庫が極端に増えていないか、また欠品が出ていないかをチェックする。
・経費の変動・・・異常に増えている経費が無いかをチェックする。
・売掛金の残高・・・売掛金の回収が遅れていないかをチェックする。
・キャッシュフロー・・・キャッシュの残高とフロー(営業C、投資C,財務C)の動きをチェックする。

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税理士事務所・会計事務所が未来における真の役割

「税理士事務所・会計事務所に求められる真の役割」

税理士の依頼業務は、会計や税金の相談、申告書の作成、税務調査の対応が中心だと思われます。
ですが今後の税理士は、以下の2つを重視すべきであると考えます。

財務会計から管理会計へ

財務会計とは、基準に基づく処理で、決算書の作成のためのもので、基づく決算書だけでは、企業業績を正確に把握することは困難になっています。
一方、管理会計とは、商品・顧客・部門別などの管理で、企業の現状を正確に把握するための会計です。
今後、税理士が業績を正確に把握し、業績の向上をサポートすべき立場であると考えます。
これまでの税理士事務所は会計・財務処理などの過去の事実を記録する会計(過去会計という)を業務の中心としてきました。

過去会計から未来会計へ

今後は、経営者は経営戦略を勉強し、経営計画を作成・社内に浸透し、業績の予実績管理を行うことが社長力、企業力を向上させると考えます。
これを未来会計と定義し、税理士事務所がすべきであると考えます。
この2つの会計サービスを税理士が提供することで業績向上に貢献するべきだと確信いたします。


  1. 金融機関に対して、税理士として自社の決算書の内容を適切に説明できない
  2. 自社の決算書を使って改善する方法がわからない
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