調査される側としては、調査官がどんな項目を重点的にチェックするのかが分かれば、調査の際の対応方法がつかめますし、調査をうまく乗り切れるはずです。ここでは、調査官がどこにどのように目をつけるかを示してきましたが、ここでもう一度まとめておきましょう。
まず、調査の連絡が入ったら、どのような種類の調査なのか、調査官は誰なのか、日程はどのようにするかを確認します。税理士と充分なリハーサルができるように、余裕をもった日程調整が必要です。調査官がどの部署に所属していて、何人で来るのかも掴んでおきます。税務署には法人税・所得税・資産税担当や、総務・管理など、さまざまな部署がありますが、調査官がどのような部署を経て調査官になったのかを押えておくと、どのような調査をする傾向にあるかが掴
めるものです。税理士は多くの調査に立会っていますし、税務署内部についても詳しいものです。調査官の過去の経歴や特徴なども知っていることが多いですから聞いておくことです。
次に、書類などの整理・管理の問題ですが、契約書・票講書・取締役会の議決書の3点セットにしておくことが必要です。また、経営者の机の上や金庫などが整理されているかを確認してください。
ださい。不信に思われたり、疑われるものがないようにします。貸金庫のチェックも必要です。
社長様向け
基本的な対策が取られているか? ~調査官の先手をとること
2012 年 9 月 1 日 土曜日どのような調査方法で調べられるのか ~基本的な調査方法とは?
2012 年 9 月 1 日 土曜日税務調査で、調査官は、申告ミスや申告漏れを指摘するために、わずかなミスでも見逃さないよう、さまざまな調査方法を用います。
それらは、基本的な調査方法である「通常の調査手続き」と、「その他の調査手続き」に分けられ、調査対象によって、あるいは調査の進行に応じて適宜に組み合わせて駆使されます。
以下にあげたのは、どの調査官も行なう基本的な調査方法で、内部証拠と様々な書類とを検証することで取引の記録性、正確性、正当性などを見るのです。
比較分析では、調べようとする項目(数字)について前期と当期あるいは標準値と比較することで問題点を洗い出し、さらに帳簿と領収書などの証愚書類を突き合わせる(証窓突合)ことで事実の確認し整合性を見ます。また、帳簿や明細表などの計算が正しいかどうかをチェックしたり(計算突合)、帳簿をお互いに突き合わせ(帳簿突合)、正しい申告であったかを確かめます。
実地調査では、証愚突合を中心に、必要に応じていくつかの調査方法を組み合わせて調査が進められていくのです。
事前準備としてやっておくべきこと ~当日までに優先的にやっておくべき準備とは ?
2012 年 9 月 1 日 土曜日一般の税務調査では、連絡から実施までに通常10日から2週間ぐらいの余裕があるものです。その間に、できるだけ手を尽くしておきたいものです。
一般の税務調査は、だいたい過去3期にまでさかのぼることが多いので、その3期について整備されていない事項や、不充分な処理しかしていない事項があれば、すべてを整理しておきたいところです。しかし、時間的にムリであることが多いので、優先的に処理するものを決めておきましょう。単純なことであっても、整理しておかないとトラブルになりかねません。充分に検討してみる必要がありますが、ぜひやっておきたいのが次の順になります。
「事前にすべき整理事項」
①伝票・請求書・領収書などの整理
②契約書・証類類の確認(棄講書含む)
③給与台帳・1人別徴収簿の確認
④帳簿類の整理
⑤金庫、ロッカー、事務机、書類棚の整理・整頓
「事前に確認しておくべき事項」
◇定款、各種議事録の有無と管理状態
◇各種届出書の保管とそれに基づく税務処理の確認
◇契約書、取締役会議事録との整合性
◇社内諸規程と税務処理との整合性
◇請求書・領収書による支払先の確認(相手先との一致の確認)
◇保存期間内の帳簿書類の有無
◇取引先以外のカレンダー、記念品、メモ用紙、ライターなど名入りのものの整理
◇社用電話帳の取引先以外の会社名の有無