どの会社も、毎年1度は決算を行なって、申告書を提出しなければなりません。申告所得がいくらあって、税金はこれだけと申告するわけですが、それぞれの金額をいくらにすればいいのかと迷わない経営者はいないのではないでしょうか。
当然、法人税法に違反しない範囲内で処理を行なうものですが、経営者の姿勢が色濃く反映されるのが決算書です。決算書には、経営者が法人税をどう考えているかがはっきり表れるものです。
では、どのような処理が税務調査の対象となり、厳しくチェックされることになるのでしょうか。次ページの項目で1つでも該当するものがあれば調査の可能性が高いといえます。
経営者が自社の決算について、確信を持って調査官に説明することができないようでは、調査官の心証を悪くするでしょうし、調査がより厳しいものになってしまいます。
決算に対する考え方をあいまいにしないことで、税務調査を受けなくてもすむようにし、税務調査を受けたときにも自信をもって対応できるものです。
社長様向け
こんな決算処理は税務調査される?
2012 年 9 月 1 日 土曜日強制調査か任意調査か?
2012 年 9 月 1 日 土曜日税務調査は、目的や対象、方法、あるいは時期、内容などによっていくつかに分けられます。たとえば、よく耳にする「マルサ」は、「国税犯則取締法」という法律に基づいて行なわれる「強制調査」の俗称です。これは、税務調査としては特殊なもので、「査察」ともいいます。悪質な脱税に対する一種の犯罪調査であり、告発、つまり裁判にかけるための臨検や捜索、差押えを目的としています。したがって、通常の税務調査とは異なります。
通常の税務調査とは、「任意調査」を意味し、特に「実地調査」を指します。しかし、任意といっても、調査に応じなかったり、妨害などをすると、刑事罰が課せられますから要注意です。
任意調査は、「実地調査」と「準備調査」とに分かれます。
実地調査の準備をするのが、まさしく準備調査です。これは、調査対象となる企業(以降、「調査対象」と記載)の問題点や重点調査すべき項目を判断したり、実地調査をするかしないかを決めるためのものです。納税申告者が提出した申告書などの書類を、あくまでも机の上で調査する「机上調査」を行ない、必要ならば、調査対象の概況をつかむために「外観調査」を行なったりします。
いつまでさかのぼって税務調査させるか?
2012 年 9 月 1 日 土曜日日本の税制は、申告納税制で、納税者は自分で所得金額や納税額を計算して申告することになっていますから、その申告に問題がないのかどうかをチェックするために、税務調査が行なわれるわけです。問題がないとすると、申告がそのまま認められますが、誤りがあるというときには「更正」や「決定」ということになります。
更正というのは、税務署が職権で申告所得額や税額の修正をすることです。
決定というのは、申告書を提出する義務のある者が申告書を提出しなかった場合、調査によって課税価格税額を決めることです。
ところが、この更正や決定が、1 0年も20年も前までさかのぼって処分できるとすると、あまりに古いことを掘り返すことになり、申告に関連する帳簿書類などを紛失していたり、わからなくている事項がでてくる恐れもあります。
そのため、どこまでさかのぼるかの制限期間が「更正・決定の排除期間」として決められています。